日本化學雜誌
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8-オキシキノリン誘導体の金属錯塩
末永 栄一
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1059-1063

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抄録

酸素,窒素を配位子とする 6歯キレート化合物を合成する目的でピス-(8-オキシキノリン-2-アルデヒド)-エチレンジイミンおよびビス-(8-オキシキノリン-7-アルデヒド)-エチレンジイミンの金属錯塩の合成を試みた。このうち 8-オキシキノリン-7-アルアヒドは合成することができなかったので,誘導体である 5-メチル-8-オキシキノリン-7-アルデヒドを合成し,これとエチレンジアミンとからビス-(5-メチル-8-オキシキノリン-7-アルデヒド)-エチレンジイミンを合成した。これらシップ塩基はいずれも銅, ニッケルと六歯キレートを生成する。これら錯塩はいずれも赤褐色で, 7位にアルデヒド基のあるものは, 2位にあるものよりいちじるしく有機溶媒に溶け難い,また同じく酸素,窒素を配位子とした 1,8-ビス-(サリチリデンアミノ)-3,6-ジオキサオクタンの錯塩と比較するといちじるしく安定である。これらの合成の途中で得られた 5-アルデヒド-8-オキシキノリンとエチレンジアミンとを縮合し,ビス-(8-オキシキノリン-5-アルデヒド)-エチレンジアミンおよび金属錯塩を合成した。

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