日本化學雜誌
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オキサゾリドン誘導体の合成とその性質
金子 武夫乾 利成
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1075-1078

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抄録

オキシアミノ酸はべンジルオキシカルボニルク糧リドを炭酸水素ナトリウムの存在で作用させると通常の N-ペンジルオキシカルボニル誘導体を生成するが,水酸化ナトリウムの存在では閉環してもとのオキシアミノ酸の構造を保持したオキサゾリドン誘導体を生成した。このオキサゾリドン誘導体はオキシアミノ酸にアルカリの存在でホスゲンを作用させても得られる。この化合物は非常に安定な物質で,容易にエステル化され,また酸による加水分解で炭酸を失なってもとのオキシアミノ酸にもどる。このような性質は,オキシアミノ酸の水酸基とアミノ基の同時保護の目的に利用できる。DL-セリン,DL-レトレオニン,DL-アロトレオニン,DL-β-オキシバリン,DL-レフェニルセリン,DL-レアロフェニルセリンおよびDL-イソセリンからそれぞれ相当するオキサゾリドン誘導体を合成した。

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