日本化學雜誌
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オキサゾリドン誘導体を利用するトレオニンおよびアロトレオニンの光学分割
乾 利成金子 武夫
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1078-1081

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抄録

DL-トレォニンおよびDL-アロトレオニンはそれぞれアルカリの存在でホスゲンの作用によって水酸基とアミノ基が同時に保護された trans 形および cis 形のオキサゾリドン・カルボン酸に閉環するので,このオキサゾリドン・カルボン酸を用いて光学分割を行なった。DL-trans 酸をブルシンを用いて光学分割し,純粋のD(-)-およびL(+)-trans酸を得た。こうして得たD(-)-およびL(+)-trans 酸を加水分解してD(+)-およびL(-)-トレオニンを得た。一方,DL-cis酸はブルシンおよびキニンを用いて光学分割し,純粋にしたL(-)-およびD(+)-cis酸を加水分解してL(+)-およびD-(-)-アロトレオニンを得た。このようにして得たトレオニンの4異性体の物理的性質およびその呈味性を示した。

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