日本化學雜誌
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ヨウ素触媒によるα-メチルスチレンの重合
広田 鋼蔵飯塚 義助竹村富 久男田中 達人
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1103-1105

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抄録

ヨウ素はラジカル重合の禁止剤としてよく知られているけれども,われわれは室温で少量のヨウ素(1%以下)が α-メチルスチレン (α-MS) の重合の開始剤として働らくことを見いだした。脱水後,真空封入した試料について,ヨウ素触媒による α-MS の重合の初期速度はヨウ素濃度 0.2% のときの方が 0.1% のときより大きい。しかし,長時間反応後の全重合率はヨウ素濃度 0.2% のときの約 25% に対してヨウ素濃度 0.1% のとき 50% にも達する。等容量の α-MS とメタアクリル酸メチルの混合物を翼ウ素触媒で重合させて得た重合物は,同じ混合物をカチオン重合触媒である四塩化スズで重合させて得た重合物とよく似た赤外線吸収スベクトルを与える。したがってヨウ素触媒による α-MS の軍合はカチオン機作で進行するものと結論される。

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