日本化學雜誌
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ポリアクリル酸ナトリウム-中性塩系のΘ温度
高橋 彰矢守 征三郎香規 〓美
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1962 年 83 巻 1 号 p. 11-14,A2

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抄録

完全中和ポリアクリル酸ナトリウム-チオシアン酸ナトリウムおよび-臭化ナトリウム溶液の液々相分離温度(Tp)を分子量,ポリマー濃度および塩濃度を変えて測定した。測定したTpを非電解質高分子混合溶媒系のMandelkern-Floryの方法と類似にポリマー濃度→0,分子量→∞に外ソウしてθ温度を求めた。結果は1mol/lチオシアン酸ナトリウム;θ=289°K,1.25mol/lチオシアン酸ナトリウム;θ=303°K,1.5mol/lチオシアン酸ナトリウム;θ=313°Kおよび1.5mol/l臭化ナトリウムθ=288°Kである。1.25mol/lチオシアン酸ナトリウムを溶媒系とした場合はさらに浸透圧第2ピリアル係数(A2)の温度変化からもθを求め,θ=302.8°Kであって相分離実験結果とよく一致することを確かめた。また1.25mol/lチオシアン酸ナトリウムおよび1.5mol/l臭化ナトリウム系のθ温度における各重合度のポリアクリル酸ナトリウムの[η]を測定し,[η]KM0.5がほぼ成立することを確認した。以上の結果から,ポリアクリル酸ナトリウム-中性塩添加系においてもθ溶媒系の存在が確かめられた。

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