銅を賦活剤とし塩素を協賦活剤とした硫化亜鉛螢光体においては含有されている銅の量と塩素の量とがほぼ等しいときに緑色螢光が強くなる。融剤としてアルカリ塩化物の形で加えられた場合の塩素は協賦活剤としての作用を示さないが,周期率表2属の塩化物の形で加えられた塩素は協賦活剤として緑色螢光に寄与する。また自己賦活硫化亜鉛青色螢光体に銅を拡散させた実験によれば,自己賦活の青色螢光の強さと銅による緑色螢光のそれとの間には比例的関係がある。なお,銅が緑色螢光申心を形成するように拡散するときの活性化エネルギーは約7kcal/molである。これらの実験結果から,緑色螢光中心は硫化亜鉛結晶中の不完全箇所で亜鉛の欠陥格子と1価の銅イオンを含んでいるような特殊の部分であると推定される。
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