1962 年 83 巻 1 号 p. 59-61,A4
サイクロトロンで金属ロジウムをα衝撃し,103Rh(α,2n)105Agの核反応により生成した105Ag(40d)の無担体,ソルトフリー分離法を研究し,β線スペクトル測定用試料をつくるとともに,無担体銀の挙動について検討した。微量銀の分離法としては,テルルによる捕集法,塩化水銀(1)による共沈法などの既存の方法があるが,本研究においては,銀を臭化タリウム(1)へ共沈させることにより主成分のロジウムから分離し,ついでタリウムを酸化して3価にしたのち,その塩化物をエーテルで抽出して銀のみを水層に残すことにより,無担体かつソルトフリーの105Agを分離することができた。なお,この105Agをアンモニア性溶液中で金パク上に電着させて,核物理学的測定用試料も調製した。
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