日本化學雜誌
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コバルト(II),銅(II)および亜鉛(II)のクロロ錯イオンの陰イオン交換
水町 邦彦
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1962 年 83 巻 1 号 p. 67-73,A5

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抄録

前報にひきつづき,コバルト(II),銅(II),および亜鉛(II)について,塩酸-塩化リチウム混合溶液からの陰イオン交換樹脂に対する分布係数を25℃において測定した。コバルト(II)の10mol/l塩酸または塩化リチウム溶液においては,平衡に達するまでの時間は2時間であった。分布係数は一般に塩素イオン濃度が高いほど,また水素イオン濃度が低いほど高い値を示す。塩化物濃度10mol/lの場合についての結果から,イオン交換平衡定数,錯酸生成定数をそれぞれの金属について計算した。別に塩化物水溶液-メチルイソブチルケトン系における銅(II)の分配係数の値を求め,陰イオン交換の分布係数の値と比較して錯酸生成が平衡に寄与することを示した。また水銀(II)の陰イオン交換の測定結果を利用して,種々の濃度の塩化リチウム溶液中における2価金属のテトラクロロ錯イオンの存在比を求める式を導き,3種の金属のそれぞれに適用した。

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