日本化學雜誌
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テルル(IV)のクロロ錯イオンの陰イオン交換
水町 邦彦
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1962 年 83 巻 1 号 p. 73-76,A5

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抄録

塩酸-塩化リチウム混合溶液からの陰イオン交換樹脂に対するテルル(IV)の分布係数を25℃において測定した。10mol/l塩酸および塩化リチウム溶液においては,平衡に達するまでの時間は約3時間であった。分布係数は一般に塩素イオン濃度および水素イオン濃度が高いほど高い値を示す。この傾向は水銀(II)の場合とまったく逆である。また,酸の濃度の影響は塩素イオンの低い方で顕著であり,4mol/l塩酸中では分布係数が360であるのに反し,同濃度の塩化リチウム溶液中では0となる,しかし10mol/l塩化物溶液中では,酸の濃度にかかわりなくつねに分布係数は4×103であった。最後に今までに述べた5種の金属のイオン交換を,分布係数の挙動によって分類し,きらに水溶液内における錯体の生成反応に,錯体の酸塩基反応が影響をおよぼすことを示した。

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