日本化學雜誌
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5'-ハロゲノリボフラビンの合成
吉田 俊夫内藤 新吉
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1962 年 83 巻 1 号 p. 89-91,A6

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抄録

5'-デオキシ-5'-プロムリボフラビンがリボフラビンをアセトプロム化し,つぎにアセチル基のみを濃無機酸中で加水分解することにより得られた。この物質を熱水と処理すると2',5'-アンヒドロリボフラビンを与える。リボフラビンのアセトブロム化反応は氷酢酸,赤リンおよび臭素の反応液により行なわれる。氷酢酸溶媒で臭化アセチルを作用させてもよい。生成した5'-デオキシ-5'-ブロム-2',3',4'-トリアセチルリボフラビンは無水酢酸中でヨウ化ナトリウムと反応してそのヨウ化物を与える。酢酸カリウム,無水酢酸および氷酢酸と反応させるとテトラアセチルリボフラビンを生じ,チオ酢酸カリウムとはアセトン中で5'-モノ-S-アセチル-2',3',4'-トリ-O-アセチルリボフラビンを生ずる。氷酢酸,赤リンおよび塩素の反応液を50°~60℃でリボフラビンと反応させると5'-モノアセチルリボフラビンを与え,90℃で反応させると5'-デオキシ-5'-クロルー2',3',4'-トリアセチルリボフラビンが生ずる。後者はリボフラビンを塩化ベンゾイルと氷酢酸と反応させても得ることができる。

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