1962 年 83 巻 10 号 p. 1122-1125,A72
シンナミルアルコールの接触還元においては,アリルアルコールの場合と同様な反応が起ることが期待される。エタノール中常温常圧で接触還元を行なった結果はまったく同様であって3-フェニル-1-プロパノール,プロペニルベンゼン,プロピルベンゼン,β-フェニルプロピオンァルデヒド,スチレン,エチルベンゼン,および一酸化炭素を確認し,シンナミルアルコールは水素添加および水素化分解のほか脱水素反応を起すことを推定した。
触媒担体,および酸,アルカリの影響もまったく同様であった。別にフェニルプロピオンアルデヒドのパラジウム系触媒による接触還元を試みたが,その結果もプロピオンアルデヒドの場合と同様であった。しかしラネーニッケルではフェニルプロピオンアルデヒドは水素化され,パラジウムとラネーニッケルでは相当に差があることがわかった。
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