日本化學雜誌
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アミノ酸エチルエステルのP-トルエンスルホン酸塩の合成
加藤 哲夫牧角 啓大野 素徳泉屋 信夫
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1962 年 83 巻 10 号 p. 1151-1154,A73

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抄録

各種アミノ酸のエチルエステルトルエンスルホン酸塩を合成するため,アミノ酸,トルエンスルホン酸,エタノールおよび四塩化炭素を還流煮沸して,生成する水を共沸混合物としてのぞいてエステル化した。28種のアミノ酸について実験したところ,表1に示すようにL-α-アミノ酪酸以下20種についてエチルエステルトルエンスルホン酸塩を分離,確認することができた。これらは,いずれも吸湿性のない良好な結晶で,かつ収率も優秀である。これらのうちε-カルボベンゾキシ-L-リシンエチルエステル塩酸塩は,α-N-カルボキシ無水物とエタノール-塩酸との反応により合成すると収率は不良であり,さらにL-バリンなどのエステル塩酸塩は強い吸湿性を示したが,ここに報告する方法により,それらの点は改良された。この方法により,アシル化されたアミノ酸も,少量のトルエンスルホン酸の存在のもとでエステル化されることが示された。実際には,アセチル-L-フェニルアラニンエチルエステルなどが合成された。

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