日本化學雜誌
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シクロヘキシルアミンおよびN, N-ジメチルシクロヘキシルアミンの放射線分解
久田 晴彦高椋 節夫桜井 洸
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1965 年 86 巻 1 号 p. 31-34

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抄録

シクロヘキシルアミン(CHA)およびN, N-ジメチルシクロヘキシルアミン(DM-CHA)の放射線分解における初期過程,とくに水素生成機構に関する知見を得る目的で研究を行なった。CHAおよびDM-CHAの水素生成のG値は,それぞれ5.9および4.5で照射線量および温度にはほとんど影響をうけない。DM-CHAでは, CHAには認められなかったメタンの生成が起り,そのG値は0.6であった。また,メチルメタクリレート(MMA)やテトラクロルェチレン(TCE)などのラジカルスカベンジャー共存下に照射した結果よりCHAおよびDM-CHAから生成する水素のそれぞれ78%および73%は,ラジカル機構によるものと推定された。さらに,ベンゼンとの共存下に照射した結果では,これら水素生成にあずかる前駆物質とベンゼンとの間に相互作用(おもにエネルギー移動)のあることが認められた。

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