日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
スズおよびスズ-マンガンで付活したオルトリン酸ストロンチウムケイ光体のケイ光特性
水野 秀夫高村 亨村山 節子
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 86 巻 2 号 p. 185-190

詳細
抄録

Sr2.56Mg0.3(PO4)2:0.1Snケイ光体は2537Å励起で3900Åの弱い発光および6430Åの強い発光を示す。この赤色発輝帯に対する励起スペクトルには, 2810および3150Åの励起帯が存在する。 83°Kでは2537Å励起で6430Åの発光を示し, 3650Å励起で6160Åの発光を示すが,常温以上では励起波長に関係なく同一の発光を示す。この赤色発光に対する実験的な配位座標モデルを計算した結果,励起状態の振動数νe=10.6×1012sec-1が基底状態の振動数νg=8×1012sec-1より大きくなっており, Stokesシフトが2倍以上となっていることが理解される。Sr2.46Mg0.3(PO4)2:0.1Sn, 0.1Mnケイ光体では,増感剤であるスズの主発光が6430Åであるのに対し,発輝付活剤であるマンガン発光は6150Åに現われ, Stokesの関係を満たしていないように思われる。しかしケイ光特性の測定結果から2537Å励起のときは3900Åの発輝帯が, 3650Å励起のときは4360Åの母体発光がマンガン発光を増感していることが見いだされた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top