日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
核分裂生成物からオキシン-ベンゼン溶液によるジルコニウム-ニオブ-95の抽出
加藤 豊明
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 86 巻 2 号 p. 209-212

詳細
抄録

オキシンのベンゼン溶液を用いて95Zrおよび95Nbの抽出挙動について検討し,共存核種の挙動と比較して核分裂生成物より95Zr-95Nbの抽出分離に利用し好結果を得た。
酢酸塩を含む水溶液から酢酸塩を含む水溶液から0.2mol/lオキシンーベンゼン溶液で抽出し,95ZrはpH 4~10で92~98%が抽出され, 95NbはpH 2~4.5で約95%が抽出される。クエン酸塩,酒石酸塩あろいはシュウ酸塩の共存は両者の抽出に妨害となる。共存核種のうち, 144Ce(IV)はpH 7.5~11で, 90YはpH 9.5~10.5で0.2mol/lオキシン-ベンゼン溶液に定量的に抽出され, 90SrもpH 10付近で30%ほどが抽出されるが, pH 4付近ではこれら核種の抽出量はわずかである。また, 137Csおよび103, 106Ruの抽出量は無視できる。核分裂生成物を硫酸水素カリウムと溶融したのち, pH 4の水溶液として0.2mol/lオキシンーベンゼン溶液で95Zr-95Nbを抽出し,わずかに混入してくる144Ce(IV)をpH 4の水溶液で洗浄除去してから0.1mol/lシュウ酸により逆抽出して水溶液相に放射化学的純度の高い95Zr-95Nbを高収率で得ることができた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top