日本化學雜誌
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サリチルアルデビド-2-メルカプトアニルによる銅の分離定量
飯盛 喜代春高口 克子
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1965 年 86 巻 2 号 p. 213-217

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抄録

サリチルアルデヒド-2-メルカプトアニルは水に難溶性で,アルコールに溶ける。この試薬は銅(II)イオンと選択的に反応して緑色の難溶性の錯塩を生成し,沈殿となる。本試薬による銅の定量法は,試料に等容のアルコールを加え本試薬のアルコール溶液を計算量の2~3倍加え,約40°Cで約1時間ときどきかきぜながら反応させる。生成した洗殿はロ別し,これを6Nの熱塩酸で分解し,さらに煮沸して分解を完成するとともにサリラチルアルデヒドを追いだし,分解生成物の2-アミノチオフェノールを波長240mμ光度を測定し,これから銅の量を算出する。妨害イオンは少なく,ニッケル,コバルトイオンが多量存在すれば少し影響する。さきに報告したサリチルアルデヒド-2-オキシアニルと同様銅の定量に用いることができる。銅の測定は0.05~0.5mgの間で満足な結果を得た。

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