日本化學雜誌
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酸化ニッケルの熱分解
井本 立也原納 淑郎西 泰英
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1965 年 86 巻 7 号 p. 694-696

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抄録

既報において酸化亜鉛の真空中における熱分解速度について報告したが,酸化亜鉛と同様に熱力学的に予想されるよりも低い温度で分解する酸化ニッケルを熱分解し比較することを目的として研究を行なった。
実験は温度範囲660°~780°Cで真空中で分解率約20%までの範囲で熱テンピン法により行なった。酸化ニッケルを熱分解すると気体酸素と固体ニッケルを生じる。分解速度は反応初期(分解率が2~4%程度に達するまで)を除き未反応酸化ニッケルの表面積に比例する。したがって未反応固体の表面における化学反応の速度が全反応を律速し,生成ニッケルは多孔質であると思われる。活性化エネルギーとして13.0kcal/molを得た。反応初期に分解速度がはやいのは,酸化ニッケルの表面近くに存在する過剩酸素のためであろう。

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© The Chemical Society of Japan
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