日本化學雜誌
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紫外分光光度法によるアミノポリカルボン酸-ビスマス錯体の組成と安定度定数の決定
野崎 亨小柴 訓治
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1967 年 88 巻 12 号 p. 1287-1291

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抄録
水溶液中のビスマス(III)のシクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),オキシエチルエチレンジアミン三酢酸(EDTA-OH),およびグリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)錯体の安定なpH 領域,組成,見かけの安定度定数およびモル吸光係数を紫外分光光度法により求めた。いずれもビスマス(III)とアミノポリカルボン酸とのモル比は1:1の一種であった。またあるpH領域ではプロトン錯体およびヒドロキン錯体が生成すると推定された。イオン強度0.50,20℃におけるCyDTA,DTPA,EDTA-OHおよびGEDTA錯体(BiX)の見かけの安定度定数logKBixはそれぞれ23.79,29.77,21.85および23.77の値を得た。またこれら錯体のモル吸光係数はそれぞれ,吸収極大波長267,277,260および270mμ で8.70,8.94,8.16,8.18×103であった。pH4.5でビスマス(III),DTPA錯体の280mμ における吸収を利用すれば,ビスマス(III)イオン0.6~13ppmの範囲で濃度と吸光度の間に直線関係が見られ,ビスマスの定量が可能である。鉄(III),ウラン(IV),バナジウム(V),銅(II),および水銀(II)は妨害する。
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