日本化學雜誌
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天然水中のホウ素の抽出吸光光度定量
内海 喩磯崎 昭徳
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1967 年 88 巻 5 号 p. 545-549

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抄録
さきに著者らの報告したホウ素の溶媒抽出法を応用して,天然水中の微量のホウ素を迅速に定量する条件を検討し,つぎの操作を得た。ボリエチレン製分液漏斗に河川水10mlをとり,これに1N硫酸 3mlと 0.001mol/lのメチレンブルー溶液 3mlとジクロルエタン 10mlを加え,アルキルベンゼンスルホン酸イオンなどをジクロルエタン相へ抽出するため,その混合液を1分間ふるりまぜる。分離後の水相に5%フッ化水素酸 3mlを加え塒間放置する。生成したメチルブル・テトラフルオロホウ酸の錯塩をジクロルエタン10ml中に抽出し,有機相を硫酸銀溶液 5mlで洗浄する。ジクロルエタン相の吸光度を波長660mμ で測定する。雨水あるいは海水中のホウ素は前報の操作により,雨水はそのまま 10mlをとり,海水は50倍に希釈したものを10mlとり定量する。また種々の共存イオンの影響についても詳細に検討を加えた。本法で天然水中の0.005~5mg/lのホウ素の定量が可能であり,満足すべき結果を得た。
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