日本化學雜誌
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色素膜上における霧粒子のひろがりに関する物理化学的研究
佐野 〓植野 泰夫
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1022-1025

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抄録

クリスタルバイオレットの2-ロパール溶液をスライドガラスに流し,乾燥させて色素膜をつくり,これを用いて純水および塩水溶液の霧粒子の粒度測定を行なった。結果はつぎのどおりである。色素膜上に生ずる霧粒子のコン跡の直径と,一方,油膜法で調べた実際の霧粒子の直径との間に直線関係が成立し,コン跡の直径は実際の霧粒子の直径にくらべて拡大されることが認められた。ひろがり倍率は純水の霧の場合,色素膜の厚さに応じ3~4倍であり,純水の霧粒子を最小0.5μ(直径)まで測定することができる。塩水溶液の場命には,ひろがり倍率は塩濃度の増大とともに各塩ごとにそれぞれ直線的に減少し,さらに塩水溶液のイオン強度との間に塩の種類のいかんにかかわらず,直線関係の存在することが認められた。

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