日本化學雜誌
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酸化チタン上の酸素の吸着状態
初鹿 敏明飯田 清人指田 靖之長谷部 英雄
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1025-1028

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抄録

ルチルならびにアナターゼの両酸化チタンについて,25℃ および140℃でそれぞれ飽和吸着する酸素の量的関係を調べ,また酸素吸着による電導性変化ならびにESR測定の結果とをあわせて酸素の吸着状態を検討した。低温(25℃)での酸素吸着にさき立って計算量の酸素を140℃で数分間内に吸着させておき室温まで急冷する。25℃での吸着酸素量は,あらかじめ140℃ で吸着させておいた酸素量に依存し,その値の0になった点が高温吸着の飽和を示す。40℃における酸素の飽和吸着量は雨酸化物ともに25℃における飽和量の約60%であった。以上の結果および電流測定,ESR測定の結果などから,吸着酸素は140℃ でO-として存在するものと結論された。そのESRシグナルは450℃ で30分間加熱してもあまり変わらなかった。25℃ で吸着した酸素はO-とO2-の混合状態にあり,O-の表面濃度はO2-の約1/2と推定された。

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