日本化學雜誌
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マラカイトグリーンロイコシアニド溶液の光電導
小門 宏井上 英一松田 俊介
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1042-1049

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抄録

光イオン解離するマラカイトグリーソロイコシアニド(MGCN)溶液の光電導につき,光電流曲線および光電流飽和値を,溶媒,溶質濃度,光強度などとの関連において検討した。光電流飽和値Jは,同一の溶液のとき溶質濃度Cと光強度1相互の関連において決まる。Jを支配する因子の種類により,濃度支配域(Jocl0・C1:低濃度で強い光),遷移域(Jocl1/2:中間的条件),光強度支配域(Jocl1/2・C0:高濃度で弱い光),の三領域に区分される。濃度支配域は完全解離・光強度支配域は一定のイオソ生成と再結合反応とから説明することができる。
有極性溶液中でのイオソの移動度は10-5~10-4cm2/V・secであり,再結合反応速度定数は10-19~10-20cm3/ion・secと求められた。またイオン解離が起こらないとされていたべソゼソ溶液で光電流を見いだした。

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