日本化學雜誌
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イオン交換樹脂粒を使用するカルシウムの微量検出法
加藤 清垣花 秀武
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1066-1070

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抄録

樹脂点滴法によリカルシウムの微量検出法を検討した。低架橋度強酸性陽イオン交換樹脂粒Dowex50W-XI[K]形と発色試薬にNN*3およびカルシクローム*4を用いて良好な結果をえた。中性~0.1N塩酸酸性試料液中に樹脂粒を投入し,樹脂粒中にヵルシウムを濃縮吸着する。この樹脂粒に発色試薬を含んだ検出液を1滴滴加すると樹脂粒中からカルシウムが溶離し,検出液中の発色試薬と反応して樹脂粒のまわりの検出液が赤紫色を呈する。この呈色の領域は樹脂粒のまわりに限定されるため呈色が濃く肉眼観察によって微量検出が可能である。
NNを用いる場合は,検出液の液組成としてNNO.01%,水酸化カリウム0.75N,ブドウ糖5%の検出液を用いる。検出限界量0.01μg,限界濃度1:3×106をえた。
カルシクロ―ムを用いる場合は声検出液の液組成としてカルシクロ―ム0.03%,水酸化カリウム0.25Nのものを用いる。検出限界量0.1μ9,限界濃度1:3×105をえた。本検出法は試料液中に多量のアルカリ土類金属および重金属イオンが共存すると妨害するため,あらかじめ除去するか隠蔽しておかなければならない。

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