日本化學雜誌
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イオン交換樹脂粒を使用するガリウムおよびインジウムの微量検出法
市川 俊子加藤 清垣花 秀武
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1071-1075

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抄録

イオン交換樹脂粒を呈色の担体とし,ルモガリオン*4,ピロカテコールバイオレット*5(以下PVと略記する),およびスチルバゾ*6を呈色試薬として,樹脂点滴法によりガリウムおよびインジウムの微量検出法を検討した。樹脂粒は低架橋度陰イオン交換樹脂粒Dowex1-X1[Cl]形を用いた。
(1)ルモガリオンによるケイ光法:黒色滴板上に試料液1滴をとる。ガリウムの試料液はIN酢酸ナトリウム1滴と,1%酢酸1滴を加えてpH4~5に,インジウムの試料液は2N酢酸ナトリウム1滴を加えてρH5~6に液性をととのえる。これにルモガリオンを吸藩した前記樹脂粒を数粒投入し,暗所で3650Å の波長に富んだ紫外線を照射すると樹脂粒は赤燈色新~ 黄榿色の空試験*8 ,ではにぶ黄色のケイ光を発する。
(2)PVによる検出法:白色滴板上に試料液1滴をとる。これにガリウムの試料液は1~2N酢酸ナトリウム1滴を加えてpH5にインジウムの試料液は1~2N酢酸ナトリウム1滴を加えてpH6に液性ををととえる。これにPVを吸着した前記樹旨粒を数粒投入すると,樹脂粒はこい青~ オリーブ色を雰空試験ではにぶ黄色を呈する。
(3)スチルバゾによる検出法:白色滴板上に試料液1滴をとる。ガリウムの試料液は,1N酢酸アンモニウム1滴と酸1滴を加え,1%酢pH5に,インジウムの試料液は2N酢酸ナトリウム1滴を加えてpH5~6に液性をととのえる。これにステルバゾを吸着した前記樹脂粒を数粒投すると,樹脂粒は紫味赤~ にぶ赤味燈色を,空試験ではにぶ黄榿色を呈する。
上記三つのいずれの検出試薬を用いる場合も,ガリウム,インジウムともに検出限界量0.003μ9,限界灘1:107をえた。

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