日本化學雜誌
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溶媒抽出を用いる放射性降下物中のウラン-237の分離検出法
鈴木 俊雄外林 武小山 誠太郎神田 征夫
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1968 年 89 巻 11 号 p. 1084-1086

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抄録

高分子量アミンおよび第四アンモニウム塩を用いて放射性降下物中の237Uを迅速に分離する方法を検討した。試料を炭酸ナトリウムで融解したのち,塩酸を加えて乾固し,残留物を0.1N塩酸溶液に溶かす。この溶液とトリ弔一オクチルアミンのキシレン溶液をふりまぜて99Mo-99mTcなどを掘出除去する。水相を3N塩酸溶液とし,この溶液と塩化トリオクチルメチルアンモニウムのベンゼン溶液をふりまぜて237U,132Teを定量的に抽出する。有機相中のウラソ,テルルを0.IN塩酸溶液で逆抽出する。水相を0.5N硫酸溶液とし,この溶液からウランをトリ-n-オクチルアミンのキシレγ溶液を用いて抽出する。有機相申のウランを0.25N硝酸溶液で逆抽出し,この溶液を蒸発乾固して測定試料とする。
中共の第5回,第7回核実験によってえられた強放射能粒子および雨水の試料にこの方法を応用した。その結果237Uがγ線スペクトル的にこれらの試料からきわめて純粋に分離されることが確かめられた。

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