1968 年 89 巻 12 号 p. 1201-1205
無声放電によって活性化した窒素の気流中に白金線をさらすことにより常温でも白金表面に窒素が化学吸着することを認めた。このために活性窒素気流中にさらした白金を電極として,1N硫酸,1N水酸化カリウム溶液中で線型電位走査法または定電流法により還元を行ない,その電位一電流曲線または電位一時間曲線の解析を行なった。また還元反応を行なわせたのちの電解液につ毒いてアンモニアの定量に成功した。
無声放電で活性化された窒素の白金への吸着はElovich型の速度式にしたがい,吸着量は吸着処理時間の対数について直線的に増大する。
:吸着は明らかに活性化過程であり,その活性化エネルギーは5kcal/molの程度と計算された。
定性的には窒素の吸着層の陰極還元挙動は電解で生成する白金の表面酸化層の還元挙動と酷似している。後者の場合はさきに行なった研究により表面酸素濃度に関して二次反応であることを明らかにしたが,今回の窒素吸着層の還元反応も二次であることを示している。
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