日本化學雜誌
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コポリ(L-メチオニン,L-ロイシン)-S-メチルスルホニウム塩の陰イオン交換能
野口 順蔵松沢 公彦五本 昭子大西 昭男
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1968 年 89 巻 12 号 p. 1251-1254

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抄録

ポリ-L-メチオニンは二塩化メチレン中で硫酸ジメチル処理すると定量的に水溶性のポリ-L-メチオニン-S-メチルスルホニウムメチル硫酸塩になる。水不溶性とするためにメチオニンのロイシンとのコポリマーをつくりスルホニウム塩に変え,この強塩基性スルホニウム基を陰イオン交換基とする樹脂をつくった。ロイシンの含量が多いほどメチオニル残基を100%スルホニウム化することは困難となり,コポリ(L-メチオニン,L-ロイシン3:2)ではスルホニウム化度は約54%である。カラム法によるこの樹脂のハロゲンイオンに対する比交換容量は1.9~2.0(mmol/g)で,既知の第3級スルポニウム型樹脂Stamex S-44の比交換容量1.3(mmol/g)よりもよい結果を示し,ハロゲンイオンに対する選択係数はKCl-Cl-=1.0としたときKBr-Cl-=1.4,Kl-Cl-=6.8でとくにヨウ素イオンに対して強い選択性を示したが,第4級アンモニウム型交換樹脂と同じ程度でありとくに優っているとはいえない。カラムの再生にさいし,体積変化が大きく液の流下を妨げるばかりでなく再生賦活能力が次第に低下するので実用的ではない。

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