日本化學雜誌
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スチレン-塩化スルフェニル付加体の構造およびその反応
林 良之小田 良平
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1968 年 89 巻 12 号 p. 1255-1259

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抄録

スチレンの塩化スルフェニル付加体はいずれも87%以丘のMarkownikoff付加体を含む。これらの付加体は加熱によって30%前後のanti-Markownikoff付加体を含む平衡混合物になる。この異性化反応は酸触媒反応である。これら異性体のNMRについて検討した。これらの平搬合物はメタノール中硝酸銀,酢酸カリウム希薄アルコラート溶液どによってエピスルポニウムイオンを経由してMarkownikoff付加体の塩素置換生成物のみを生成した。
一方,濃厚アルコラート溶液によっては両異性体とも脱離反応を受けるがanti-Markownikoff付加体は非常に容易に脱離反応を受け,α-置換スチレンを生成した。
これらの脱離反応においてはエピスルポニウムイオンを経由するのではなく直接E2反応を受けていると考えられる。れらの置換およびこ脱諏応を応用することによりα,β-置換フェニルエタン樗び置換スチレン誘導体を容易に合成することができる。これらの反応の若干例を示した。

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