日本化學雜誌
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熱拡散法による高濃度重酸素(180)の濃縮
山本 正夫高橋 政司今岡 理宏橋岡 俊之広田 鋼蔵
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1968 年 89 巻 9 号 p. 839-843

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抄録

熱拡散法を用いて高濃度重酸素(18O)の濃縮を行なった。原料酸素として1.0~3.Oatom% の低濃度重酸素を使用した。全有効長8段, 22.85m の装置では72日間の運転で180の濃度は 80.8atom% に達し, 1802 としての輸送量は2.6ml/day であった。また, 全有効長5段, 14.Omの装置では46日間の運転で180の濃度は 69atom% に達し, 1802としての輸送量は 3.6ml/day であった。 後者の実験結果として, 60atom%の 180を含む重酸素ガスを 150ml と 25atom% 180 のものを 250ml 採取することができた。
この結果は高濃度重酸素をえるには, 従来予想されたほど長日月を要しないことを示す。

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