日本化學雜誌
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強リン酸中におけるチタン(IV), 鉄(III)およびタリウム(I)のポーラログラフィー
後藤 正志石井 大道
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1968 年 89 巻 9 号 p. 864-867

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抄録

強リン酸(P2O5 76.1wt%) を溶媒および支持電解質とし, 滴下水銀電極を用いて 35~120℃におけるチタン(IV), 鉄(III)およびタリウム(I)イオソの直流ボーラログラフ的挙動の研究を行なった。
その結果, 本溶媒中でこれらの金属イオンはいずれも良好な直流ポーラログラムを与え, その電極電位(E)と log{i/(id-i)}の間には直線関係が成立し, その直線の傾斜は還元電子数を1とした場合の理論値とよく一致することを確かめた。これらの金属イオンの電極反応は拡散支配であり, 復極剤の濃度と波高との間には良好な比例関係が成立することがわかった。また 35~120℃ の温度範囲内でIlkovic式を用いて求めた各イオンの拡散係数の対数値と絶対温度の逆数との間にはいずれも直線性が成立し, それらの直線からえられた各イオンの拡散係数((cm2/sec)×108), および拡散過程の活性化エネルギー(kcal/mol)をそれぞれ前後してつぎに示す。チタン(IV): 10.5(100℃), 8.0, 鉄(III): 9.8(100℃), 9.7, タリウム(I): 10.8(50℃), 14.5。

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