日本化學雜誌
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7-メトキシフラバノンおよびフラバノンの接触還元
鈴木 盛夫小田 泰皮
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1968 年 89 巻 9 号 p. 878-882

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抄録

7-メトキシフラバノン(1) およびフラバノン(6) を種々の触媒 (漆原ニッケル, ラネーニッケル, パラジウム黒, パラジウム炭および酸化白金) を用いて室温常圧下に接触還元を行ない生成物を検討した。(1) からは, ラネーニッケル W5 を用いると2'-オキシ-4' -メトキシジヒドロカルコン(2)(mp 103℃)がえられ, 池のニッケル触媒およびパラジウム炭B を用いたときには(2) と4β-オキシ-7-メトキシフラバン(3)とがえられ, パラジウム黒を用いると(3)と 7-メトキシフラバン(mp 38℃)とがえられ, 酸化白金を用いると(3)と 1-(4-メトキシシクロヘキシル)-3-シクロヘキシルプロパン(mp43℃)とがえられた。(6)からは, ラネーニッケル W5 を用いると 4β-オキシフラバン(8)と 1-(2-オキシフェニル)-3-フェニルプロパノールとがえられ, 酸性溶液中でパラジウム触媒および酸化白金を用いると(8)とフラバンとがえられ, 他の条件では(8)がえられた。上の事実に基づいてフラバノン類の接触還元の機構について考察した。

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