日本化學雜誌
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イソプレンのカチオンテロメル化反応生成物中のイソテルペン類
田中 順太郎片桐 孝夫竹下 徹
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1968 年 89 巻 9 号 p. 875-877

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抄録

前報において1,4-結合したいわゆるテルペン類がイソプレンとカルボン酸のテ癖メル化反応の主成分であることを報告した。
しかしこの反応においてモノテルペン留分中約10%程度の 1,4-結合以外の生成物が認められた。これをイソテルペン類として報告する。テロマーを加水分解しアルコールとして, ガスクロマトグラフィー, 核磁気共鳴スペクトル, 質量スペクトル, 赤外吸収スペクトル, 薄層クロマトグラフィーを, おのおの別途に合成した 2,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(1)および 2-truns-2,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール(2)と比較検討し, それらは 4,4-結合した化合物であることを確かめた。また予期に反し 3,4-結合した化合物ラバンジュロールは微量しかえられなかった。塩化プレニルをテローゲンとするテロメル化反応においても, 加水分解生成物について(1),(2)のアルコールが存在することが確認された。以上から反応機構を考察した。

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