日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
18-75 MeV制動輻射によるセシウムおよびバリウムの光核反応とセシウムの内基準放射化分析
蔡 恵沢
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 92 巻 1 号 p. 60-64

詳細
抄録

18-75 MeV制動輻射でセシウムおよびバリウムターゲットを照射し,このエネルギー領域で起こる光核反応の種類,生成量とそのエネルギー依存性を残留核法で検討した。また,得られた結果からバリウムを内基準元素とするセシウムの放射化分析法を明らかにした。照射エネルギーを18 MeVとし,バリウムより137Ba(γ, p)反応によって生じる136Csを内基準核種として利用し,セシウムから(γ, n)反応によって生成する132Csとともに化学分離した。測定には36cm3Ge(Li)半導体検出器を用い,前者の0.818 MeVの光電ピーク面積を基準として,後者の0.668 MeVの光電ピーク面積比(RA0)を求め,これと両者の重量比(Rw)との関係として
Rw=(4.88Ba±0.14)×10-5RA0
を得た。セシウムの定量下限は約0.8μgで,正確に定量する方法となる。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top