日本化學雜誌
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キノリンカルボニトリルおよびイソキノリンカルボニトリルのHMOと求核試薬に対する反応性
井手 明雄松森 国彦石津 和彦渡辺 博恭
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1971 年 92 巻 1 号 p. 83-86

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抄録

2-あるいは4-キノリンカルボニトリルおよび1-あるいは3-イソキノリンカルボニトリルとは異なり, 3-キノリンカルボニトリルおよび4-イソキノリンカルボニトリルは, Grignard試薬などの求核試薬との反応でシアン基の炭素よりもむしろ縮合複素環上の炭素に対して優先的に反応する事実を説明するためにHMOの計算を行ない,また,最適パラメーターも検討した。パラメーターとしてCoulomb積分には縮合複素環中の窒素原子に対しα+0.5β,シアン基の窒素原子に対しα+1.1β, 共鳴積分にはシアン基の炭素-窒素原子間を1.4βにとった場合に反応性指数と化合物の反応実験結果との間によい対応を見いだすことができ,また, IR吸収ならびにプロトンのNMRの化学シフトもよく説明し得ることが判明した。

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