フッ化テトラエチルアンモニウム(Et4NF)を臭化テトラエチルアンモニウムと,フッ化銀との反応により合成し,その無水塩を得た。Et4NFはアセトニトリルやジメチルスルホキシド(DMSO)によく溶けるが,やや温度をあげるとDMSOとは徐々に反応した。Et4NFはクロロホルム,ブロモホルムと容易に反応し,α-脱離反応を起こした。この反応をシクロヘキセン存在下に行なうと,ジハロノルカランが約10%の収率で得られた。Et4NFはN-(p-ニトロフェニルスルホニルオキシ)カルバミン酸エチルからもα-脱離反応を起こし,ニトレン挿入反応による種々の生成物が得られた。またEt4NFはアセトニトリル中で,臭化フェネチルと室温で容易に反応し,反応生成物として高収率(約96%)のスチレンが得られた。
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