2,7-オクタジエニルアセタート〔1〕とブタジエンのロジウム触媒反応により, C12-トリエン類のアセトキシ置換体が好収率で得られることを見いだした。生成したC12-トリエン類アセトキシ置換体の構造は,2,6,10-ドデカトリエニルアセタート〔2〕,2-(2-プテニル)-3,7-オクタジエニルアセタート〔4〕および 2-(2-プテニル)-2,7-オクタジエニルアセタート〔5〕の3種類であることを,IR,ガスクロマトグラフィー-質量分析, NMR分析によって確認した。本反応は従来知られている機構では説明できない新しい型のロジウム触媒反応であり,1) 末端ビニルの末端炭素にブタジエンが反応する,2) 内部二重結合もブタジエンと反応する,という二つの特徴を有した。反応機構として, 2,7-オクタジエニルアセタート〔1〕のキレート型ロジウム錯体の生成を考えることにより,本反応を説明することができた。
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