1971 年 92 巻 10 号 p. 858-861
2,7-オクタジエニルアセタートとブタジエンのロジウム触媒反応についてはすでに報告した。本報では一般に-CH=CH(CH2)nCH=CH-の構造を有する非共役ジエンとブタジエンのロジウム触媒反応についてn=0-4の範囲で検討し,非共役ジエンの二つの二重結合がロジウムに配位するキレート型錯休の形成とその反応性について考察した。その結果n=0, 1, 4の場合にはキレート型錯体は形成されにくく, n=0ではπ-アリル錯体を経由して反応が進行し,またn=1, 4では通常のα-オレフィンの反応が優先すること, n=2, 3の場合にキレート型錯体が形成されるが, n=2では錯体が安定で反応性に乏しく, n=3の場合のみ錯体が適度に不安定でブタジエンとすみやかに反応することができると結論した。
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