日本化學雜誌
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イミダゾール誘導体とクロルアニル錯体
境野 芳子
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1971 年 92 巻 4 号 p. 365-370

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抄録

イミダゾール誘導体がクロルアニルと電荷移動錯体を生成することを見いだした。 27種のイミダゾール誘導体の最長波長部吸収極大値およびクロルアニル錯体のCT帯を分光度計を用いて測定し,イミダゾール誘導体の最長波長部吸収極大の位置またはそのモル吸光係数の値をクロルアニル錯体のCT帯の吸収極大値と相関させた。またイミダゾール誘導体の共役の度合のCT帯の位置への依存性に注目した。ねじれた構造を有する供与体のCT帯は平面構造を有する供与体のそれよりも高エネルギー位に存在する。ジクロルメタン中で測定したCT帯の電荷移動エネルギー(hν)と等式hν=0.81 Ip-3.88とからイミダゾール誘導体のイオン化ポテンシャルIpを求めた。 2-(p-メトキシフェニル)-, 2-(p-トリル)フェナントロ[9, 10-d]イミダゾールは四塩化炭素中でクロルアニルと反応し,それらのイミダゾリル遊離基を生成する。

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