1971 年 92 巻 8 号 p. 702-706
85vol%エタノール水溶液中,10~25°C, 1~1500kg/cm2の条件のもとで,2-メトキシ-2'-メチルヒドラゾベンゼンの酸触媒転位反応速度に対する圧力効果を研究し,その結果転位反応は[H+]に関して一次の反応(one-proton mechanism)のみであって,圧力によって加速されることを見いだした。
得られた見かけの活性化エネルギー,活性化エントロピー,活性化体積,Eげた 15.1 kcal/mol,ΔSげた -9.4eu.,Δ Vげた,- 8.5cm3/molを既報と比較し, one-proton mechanismは強く溶媒和した極性遷移状態を経るものと推論した。
また,オルト置換基の立体効果を適当に補正することによって,オルト置換アニリニウムイオンのpKaとone-proton mechanismの転位反応速度定数の対数との間に精度よく直線自由エネルギー関係が得られた。
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