日本化学会誌(化学と工業化学)
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四塩化タングステンおよびより低級な塩化タングステンの熱化学的性質
詫間 貴川久保 正一郎
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1973 年 1973 巻 4 号 p. 700-706

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抄録

四塩化タングステンおよびより低級な塩化タングステンを加熱したさいの熱分解過程をスプリングバランスを用いて調べ,また,それらを封管中で加熱したさい生成する気体の電子スペクトルおよび蒸気圧を測定した。
四塩化タングステンをアルゴン雰囲気中で加熱すると,wclsi1311192=120 wC12s +WCIs(g WCIz6s) (i4 19 EL 2 ,40 V) WC 2(g)+WCIs g WC12 - llsig912 260N w(+wc14(g))の順に不均化反応を起こす。
四塩化タングステンを封管中で加熱したさいには,約325℃より(1)3 WCI4=2 WCI3.5 WC15(9)なる不均化反応を起こし,この反応に対する分解圧は10g Pd(mmHg)--11.2x103 T+19 1(325~400℃)で表わされる。WCI3.5は約350度より(2)2WC13.5=W 12+WC1なる不均化反応を起こし,この反応に対する分解圧はlog pdi,2(mmH,9)=8,44x103 T+145(350~450℃)で表わされる。
これらの結果に基づき,それぞれの反応に対する標準自由エネルギー変化を求めるとつぎのようになる。(1)の反応に対してはdGe=51.3x103-75.5 T ca1 mo1,(2)の反応に対しては Go=38.6x108 53.1 T cal/mol.

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