1973 年 1973 巻 4 号 p. 696-699
n-ブチルアルコール,シクロヘキサンおよび変圧器油の3種の液体誘電体にいろいろの条件で超音波を照射し,絶縁破壊電圧を測定した。いずれの試料も超音波照射により破壊電圧がいちじるしく低下するが,照射後放置しておくと約10分で照射前の破壊電圧に復帰することがわかった。また未照射の破壊電圧が温度にいちじるしく依存するシクロヘキサンでも超音波照射中の破壊電圧はほとんど温度依存性を示さないことがわかった。さらに超音波の効果は超音波の周波数が低いほど大であることがわかった。キャビテーションの直接効果あるいは二次的に生じた短寿命の物質によって試料の耐圧力が低下したものと推論した。
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