日本化学会誌(化学と工業化学)
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リナロオールの三フッ化ホウ素,ヨウ素による脱水異性化反応
藤田 安二藤田 真一大倉 久栄
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 132-135

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抄録

リナロオールの三フヅ化ホウ素またはヨウ素による脱水異性化によってβ-ピネンができるという報告が現われたので,これらの反応の再検討を行なった。
三フッ化ホウ素の場合にはまずリナロオールの脱水によってβ-ミルセソができ,このものの脚部がリモネシに異性化し,さらにα-テルピネソ,イソテルピノレンなどに異性化後,不均化反応によってP-シメンとなり,一方にρ-メソタンもできる。しかしこのさいβ-ミルセソはジヒドロミルセソのほか多数のCi6HisF zおよびCieHig F 3化合物へも変化する。
ヨウ素との反応の場合も同様な近似反応が起るが,三フッ化ホウ素の場合よりもさらに複雑であり,いずれの場合にもβ-ピネン,α-ピネソ,カンフェンなどの生成は起こらない。

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