日本化学会誌(化学と工業化学)
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サフロール,イソサフロールおよび3,4-メチレンジオキシケイ皮酸とアニリン塩酸塩との反応
藤田 安二藤田 真一香山 信博長谷川 幸雄川合 広信
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 127-131

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抄録

サフロ一ル〔1〕をアニリン塩酸塩〔2〕,アニリン〔3〕とともに油浴で230~240。Cに加熱すれば,まず脱アリル反応が起こりメチレンジオキシベソゼン〔5〕が生ずる。そしてこのものの脱メチレソ反応によりさらにカテコール〔4〕ができるe脱離したアリル基は〔3〕に付加して複雑な転位反応を起こして,o-プロピルアニリン〔9〕, P-プロピルアニリン〔7〕,P-エチルアニリン〔8〕,P-トルイジソ〔6〕を生じ,さらに2-メチル-2,3-ジヒドロインドール〔10〕などもできる。なおこのさい脱離したメチレソ基は〔3〕と反応し,主として4,4i-ジアミノージフェニルメタソ〔11〕となる。
イソサフロール〔12〕もまったく同様の生成物を与えるが,反応性は〔1〕よりもはるかに大きい。〔1〕の場合にも。-アリルアニリソ〔14〕から-プロペニルアニリン〔17〕に異性化し,つついて不均化反応が起こるもののようで,〔14〕の前駆物質はN-アリルアニリン〔13〕である。
3,4-メチレンジオキシケイ皮酸〔18〕の場合も同様,少量の〔5〕のほか主として〔4〕を生じ,塩基性部には少量の〔6〕とやや多量の〔8〕ができる。このさいには〔18〕の脱炭酸によってまず3,4-メチレンジオキシスチレン〔19〕を生じ,さらに脱ビニル反応により〔5〕となり,このものから〔4〕になるもので,脱離したメチレン基は〔3〕と反応して,ジアミノージフェニル尊勝ンとなり,脱離したビニル基はまた〔3〕と反応し,中間にN-ビニルアニリン〔21〕,o-ビニルアニリン〔22〕,P-ビニルア,ニリン〔23〕となり,最後に不均化反応によって〔8〕および少量の〔6〕となり,一方にタール状物質ができる。

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