日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ラジカル重合の停止反応におよぼすCr2+の影響
李 武男箕浦 有二
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 159-163

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抄録

2価の酢酸クロム(Cr2+)-CHCI3系を開始剤としてジメチルホルム7ルミド中でスチレン(St)が重合することを明らかにしてきたが,[Cr2"]/[CH:CI8] 20の場合,重合速度はCr2÷濃度が増大しても大きくならないことが認められた。そこでα,α,-アゾピスイソブチ士爵トリルを開始剤としてCr2+の存在下で重合を行ないCr2"による重合の停止作用について詳しく調べた Stの重合はCr2÷により遅延されポリマーラジカルとの停止反応速度定数として74.6 1/M。1 secが得られた。さらに得られたポリマーのGPC分析からも検討を加えた。一方,メタクリル酸メチル,アタリロニトリルの重合はCr2+により完全に禁止された。この停止効果の差についてモノマーのe値から考察した。
Stの重合系にCr2÷とP-ペソゾキノソ(P-BQ)が共存するとCr2+による遅延効果とρ-BQによきる禁止効果はともに消失することが認められ,これはかBQがCr2+と反応し酸化生成物形成するためであることが明らかにされた。

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