日本化学会誌(化学と工業化学)
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低鎖長縮合リン酸アンモニウム溶液中のマンガン錯体の生成
青木 繁樹荒井 康夫
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1974 年 1974 巻 1 号 p. 60-64

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抄録

縮合リン酸基を含有する液体複合肥料は微量要素としての各種重金属を可溶化する性質をもっている。この性質を解明するため,低鎖長縮合リソ酸アンモニウム溶液中のMn2"の挙動をおもにポーラログラフィー,ペーパークロトグラフィーにより検討し,オルトー,ピロトリポリリン酸基のマンガンに対する錯イオンおよび沈殿の生成機構,安定領域,組成の差異を明らかにした。結果を要約するとつぎのとおりとなる。
ピロリン酸アンモニウム溶液中ではM n2"の大部分はオルトーと同様に析出するが,Mn2Pρ5モル比0.5以下ではその一部は錯イオン[Mn P207 2] fi"として液相中に溶存する。析出する沈殿の結晶相はモル比1.5を境として異なるが,その組成はともに(NH4)2Mn3(P207)2,n H20で表わされ,水和量だけを異にする。
トリポリリン酸アンモ=ウムはMn2÷の溶存能力が大きく,Mn2"/p20sモル比。 67以下で(1)式により錯イオン(MnP3010)3-として溶存するが,モル比0。67以上では(2)式により錯イオンが分解し,NH,Mn2P30in H20の組成の沈殿として析出する。(Mn2"+P30io5-) [MnP30ig]3- (1) [MnP,O,]3"m + Mn2:NUt1:1SHIU 20 NH"Mn2P30ie.n H201 (2)

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