1974 年 1974 巻 12 号 p. 2250-2254
紡糸,延伸および熱処理条件の異なるポリアミド系ナイロン6繊維の酸性染料溶液中における染着に関与する表面積-ζ電位法-を,これらの系の測定されたζ電位から算出される表面染着量(g/cm2-繊維)と全染着量(g/g-繊維)の図的関係から求め,比較考察した。また染着に関与する表面積と,窒素および水蒸気吸着法によるBET表面積とを比較検討した。染着に関与する表面積およびBET表面積は,紡糸温度の相違によっては影響をうけず,延伸倍率および熱処理条件の相違によって影響をうけ,結晶化度および複屈折の変化によって支配されることが示唆された。染着に関与する表面積および水蒸気吸着法による表面積が,106cm2/g-繊維程度であるのに対し,窒素吸着法によるそれは103cm2/g-繊維程度であった。また染着に関与する表面積は水蒸気法によるそれより一般に大であった。湿熱処理繊維の染着に関与する表面積および水蒸気吸着法によるそれは異常に大きい値を示した。
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