日本化学会誌(化学と工業化学)
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1,3-ブタジエンのオキシ塩素化用塩化銅(II)系触媒における添加物効果
萩原 弘之藤堂 尚之
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1974 年 1974 巻 12 号 p. 2260-2266

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抄録

1,3-ブタジエンのオキシ塩素牝反応による3,4-ジクロロ-1-ブテンおよび1,4-ジクロロ-2-プテンの合成用触媒を探索し,塩化銅(II)-アルカリ塩化物-リン酸担持触媒を見いだした。本触媒系において,塩化銅(五),塩化リチウム,リン酸および担体の組成(重量)を1.86×10-2,1.96×1r3,1.51×10-3および1,0としたとき,反応温度25Q℃,SV210h-1の条件下で,ブタジエン転化率は72%,ジクロロブテン類への選択率は92%であった。
アルカリ塩化物はアルカリイオン種により異なった添加効果を示し,塩化カリウム添加触媒に特異性が認められるが,ブタジェン転化率については,CsRb>Na>Li(200。C)の序列,ジクロロブテン類への選択率についてはLi>Na>Rb>Cs(250℃)の序列を示した。リン酸の添加効果は二次生成物の生成を抑制する点に特徴があった。
反応ガスによる分圧効果の測定結果から,添加されたアルカリ塩化物は塩化水素の反応を促進し,本反応の活性に寄与しているものと考えられる。

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