日本化学会誌(化学と工業化学)
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カンフェンとo-クレゾールの反応
峰松 和作松原 義治
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1974 年 1974 巻 12 号 p. 2361-2365

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抄録

カンフェンとo-クレゾールの反応を数種の触媒(三フッ化ホウ素エチルエーテル,活性白土,無水塩化アルミニウム,強酸性カチオン交換樹脂)を用いて行なった。
反応生成物は,いずれの場合もガスクロマトグラムに主として6本のピーク(CO-1~CO-6)を示し,触媒の差異,あるいは反応温度の変化により,その組成は大幅に変化した。三フッ化ホウ素エチルエーテルで行なうと,オルト置換体(CO-1,CO-3,CO-4)とパラ置換体(CO-2,CO-5,CO-6)の比率は3.O4:1で,オルト置換体が多量に生成するが,活性白土,無水塩化アルミニウム,強酸性カチオン交換樹脂で行なうと,オルト置換体とパラ置換体の比率は,それぞれ0.35=1,0.5:1,0.61:1で,いずれもパラ置換体が多量に生成した。
また反応温度が上昇することにより,いずれの場合もパラ置換体がより多く生成した。反応生成物(CO-3~CO-6)は核磁気共鳴スペクトル,赤外吸収スペクトル,質量スペクトルにより,それぞれ2-メチル-6-インボルニルフェノール,2-メチル-6,6'-exo-インカンフィルフェノール,2-メチル-4-カンフェニリールフェノール12-メチル-4,6'-exo-インカンフィルフェノールであることを決定した。
また生威物の生成機構についても検討した。

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