1974 年 1974 巻 12 号 p. 2391-2395
触蝶の劣化がコーク生成にともなって進行する場合には,コーク生成反応を独立に取り扱うよりも,適切な反応モデルを仮定して反応速度式群に含め,コーク生成速度に関する実験データも利用することが望ましい。既報では,シリカ-アルミナ触媒によるブタンと各生成物の接触分解の実験を行ない,量論反応式と反応速度式群を,コーク生成反応を考慮してカルボニウムイオン素反応機作に基づいて誘導した。本報では,触媒劣化の進行を考慮した反応速度式群を得るため,ガス状生成物分布とコーク生成量およびその組成H/Cの比の値の反応経過時間にともなう変化を調べる実験を行なった。既報で誘導した量論反応式群におけるコーク生成反応を,反応経過時間にともなうコークのH/Cの比の値の減少が説明できるように二段の反応におきかえた。反応速度式群を設計方程式と連立させて解いて,速度パラメーターをMarquardt法を用いて算出した。計算結果は,反応経過時間に対して得られたガス状生成物分布とコークの生成に関する実験データの傾向を説明できた。
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