日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ジエステルとジビグアニドの反応によるポリグアナミンの合成と性質
瀬尾 利弘石渡 皓加倉井 敏夫
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 1974 巻 12 号 p. 2419-2424

詳細
抄録

芳香族ジビグアニドと脂肪族および芳香族ジカルポン酸ジフェニルエステルとの重縮合を非プロトン性極性溶媒中で行ない,主鎖にs-トリアジン環を含むポリグアナミンを合成した。脂肪族ジエステルを含むポリマーの還元粘度はジメチルスルホキシド中0.40~0.84dl/gで,0.45以上のポリマーより硬く強じんなフィルムが得られる。ギ酸中ではいちじるしく粘度が上昇し電解質的挙動を呈した。ポリマーは硫酸,ジメチルホルムアミド,m-クレゾールに可溶であり全芳香族ポリグアナミンは一般に難溶であった。
ポリマーの軟化点は230~280℃,全芳香族ポリグアナミンでは330℃以上となり,また熱重量測定によりポリグアナミンはすぐれた耐熱性を示すことがわかった。
フィルムの動的粘弾性の測定より脂肪族ジエステルを含むポリグアナミンのガラス転移点は100~110℃であり,比重も1,25~1.30と大きい値を示しグアナミン構造の影響が見られた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top